あいつは、気が付いたらここにいたっていってた。
俺があいつを最初に見たのは、俺が店からトカゲの肉を盗んできて、その辺の草をかき集めて作ったささやかなアジトで仲間と分け合っていたときだ。
俺の村は、周りが砂漠に囲まれた資源の乏しいところで、地下水のおかげで生えている少々の草とそれに群がる爬虫類などの動物を狩猟し、加工しながら生きながらえてきた小さな共同体だ。
四季はなく、年中日が照っているために村人の肌は浅黒く、シミやそばかすも多い。もちろん髪の毛はみんなぼさぼさだ。
だからこそ、あいつの白いきれいな肌と長い髪には違和感があった。そして、それを強く憎んだ。今思えば、俺は本当に最低だったと思う。